GDPが市場に与える影響は少ない


sdfki79 GDPとは、ある期間内に国内で産み出された財やサービスを総額で表したものです。その前月比などから、国の経済がどれほど成長しているかを把握するためによく用いられ、前年同期比の伸び率は特に「経済成長率」と呼ばれて重視されています。

GDPには経済の実体が正確に表れているので、エコノミストなどはとても重要な数字としてこれを扱っています。しかしGDPには、非常に即時性が低いという側面があります。

そもそもGDPは、発表自体が3ヶ月ごとに1度しかありません。もう少し詳しく言うと、たとえば1~3月期ではまず「速報値」が4月に発表され、翌5月には「改定値」が、さらに6月になってようやく「確報値」という順番で知らされることになります。

こうして1月ずつずらして発表を重ねることによって、より正確な数字を公表しようとしているわけです。

市場の予想から大きく外れた発表には気をつけよう

それほど慎重を期して、丁寧に発表される重要な数字なのですが、実は相場参加者の間ではあまり大きな影響を与える経済指標としては扱われていません。

たしかに万全の配慮が行われているので、数字に対する信頼性は非常に高いものとなっています。しかしマーケットというものは今起こっていることに反応する生き物のようなものなので、3ヶ月ごとに1度、しかもゆっくり時間をかけて発表されるような経済指標には、あまり左右されることはないのです。

では、GDPはまったく役に立たない経済指標かといえばそうでもありません。その正確さはまさに折り紙つきなので、予想に用いるのではなく、後から自分の判断がはたして適切だったかどうかを確かめる根拠にすればよいのです。たとえばアメリカの経済が回復するだろうとの見込みでドルを購入した場合、実際にそれが正しかったのかどうかをGDPの数字から確認するわけです。

ただし、ひとつ気をつけなければいけないことがあります。それはGDPの数字が、市場の予想を大きく上回る、あるいは下回る数字が発表された場合です。そのさいは、それを知った市場参加者が自分の予想で取っていたポジションをいっせいに修正しはじめるので、マーケットに大きな波乱を起こす展開となることが多いのです。